
今回ご紹介する映画は、日本アカデミー賞ほか数々の映画賞を席巻した『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督による『私はあなたを知らない、』。10年ぶりの完全オリジナル脚本はユーモアと愛情に満ちた、ヒューマンサスペンスとなった。
西山夕平(28)は天涯孤独の身。粛々と働き、自分の中で決められたルーティンで生活をし、たった一人のその環境を寂しいとも感じずに生きてきた。職場にやってきた新しいパート職員・紗月と出会うまでは。彼女と出会い、生きる喜びを得て夕平の毎日は輝いていった。そしてある日、紗月から自分の5歳の娘・朝子を紹介される。彼女は実はシングルマザーだった。紗月と朝子との生活で、これまで知らなかった“家族”という幸せの形に触れ、夕平は心を開放していくが……。“家族”をテーマに作品を撮り続けてきた中野監督の新境地ともいえる。今作ではそれに加え、罪と赦し、そして他者を理解する/しようとすることも焦点となっている。家族とは何か、他者とは何か、そしてタイトルに残された読点の先には何が続くのか。
東葛地域がロケ地の一部となっていることも見どころの一つ。 (橋岡直人)
中野量太監督・主演坂口健太郎
日本・フランス合作/126分
キネマ旬報シアター柏で10/24㈯上映開始


