のはら みどり
松戸市 パート・61歳

「にゃあおう」
ペロのさいそくがはじまります。
窓に向かって鳴くのは、外に出たいという合図です。だけど、おかあさんとおとうさんはめったに外には出してくれません。外にはこわい猫や自動車、いじめっ子と危険がいっぱいです。
(でも、ぼくは外に出たい)とペロがもう一度さいそくすると、やっとお許しがでました。
ぴゅーっと外に出たペロに何がまっているでしょう。
(あーっ、かえるだ、ちょうちょだ)見るものがみな珍しい。ちょうちょを追いかけていたら、次はいじめっ子の猫に追いかけられました。
(待てーっ)
ペロは大あわて。
「ふんぎゃあ~」一目散に逃げ出します。と思うと車が目の前を走って行きます。
「びゅーん、びゅんびゅん」
「ふんぎゃあ~」ペロは驚いてばかり。
めったに外に出ないので、帰り道がわからなくなりました。(どうしよう。おかあさん、おとうさんに会いたいよう)
迷って歩き回るうち、夜になりました。
(しょうがない。今日は野宿だ)
近くの草むらの中で眠りました。
朝になり、いくつもの道路を渡って曲がりくねっていっしょうけんめい家を捜し歩きました。
(あっ、あったー)
「にゃあおう、にゃあおう」
(おかあさん、帰ったよ~)
やっと家にたどり着きました。
(あーこわかった。やっぱりうちが一番だ)とペロは思ったのでした。
いつまでもこれでは困りますねえ。甘えん坊でさびしがりやのペロ。ペロに似ている子、この指止まれ! あれあなたもそうなの。君も。なあんだ。いっぱいいるね。
ペロはうちが一番と思っても、また外に出ていくんだよ。そうやって、みんな大きくなっていくんだ。君たちも、ペロと一緒にまた冒険しようね。
童話作家 緒島英二より
ペロの気持ちが、とても良く伝わってくる作品ですね。心情が手に取るように届いてきて、最後は読者としてホッとしました。冒険は、次の自分を育てることだと確信しました。

