
台湾の山間部で養鶏場を営む38歳の女性、フイジュンは、長年面倒を見てきた弟ウェイホンの結婚式を間近に控えている。独身のフイジュンは、叔母に結婚を急かされてうんざり気味。しかも姪シンルーから半ば強引にマッチングアプリに登録され、“サリー”というニックネームもつけられた。ほどなくしてパリで画廊を営むフランス人男性、マーティンと知り合い、求愛され、胸をときめかせるも、周囲からはロマンス詐欺だと警告される。マーティンは実在するのか。私は騙されているのか。フイジュンは単身パリへと向かう。
誰しも現在の自分に疑問を持つことはあるでしょう。周囲からうるさく言われればなおのこと、どこか間違えたのか、と悩むこともあります。そうしたストレスは少しずつ蓄積され、ある日大きな決断をくだす爆発力となることがあります。本作はそうした心のうねりを丁寧にすくい取り、爆発後の消火方法も含めて示してくれた一本。台湾の風水や食事、養鶏場の風景や犬の「サツマイモ」も見所です。
自分らしさって何? と考えたことのある方なら、何か響くものがあるはず。おすすめです。 (増田玲子)
リエン・ジエンホン 監督・脚本
105分/台湾・フランス合作




