
UCCJ-2244
一昨年の3月、71歳で亡くなった坂本龍一氏。幅広い音楽性の中でも、ボサノヴァの父、アントニオ・カルロス・ジョビンに捧げたオマージュ作品をご存知でしょうか。2001年にリリースされた坂本龍一&モレレンバウム夫妻による『Casa』は、ほんとうに素敵なアルバムでした。モレレンバウム夫妻とは、かつてアントニオ・カルロス・ジョビンと一緒に演奏していた、澄み切った歌声のパウラとブラジルを代表するチェロ奏者のジャキスです。2003年には、その続編ともいうべき『A Day In New York』もリリースしています。
そして、ブラジル音楽に精通したギタリストであり、プロデューサーの伊藤ゴロー。ジャキス・モレレンバウムを紹介してくれたのは坂本龍一だったそうです。「教授の音楽は常に近くにいる」と語る彼が、モレレンバウム夫妻と名作『Casa』をトリビュートしたコンサート・ツアーを行い、ついには昨年の坂本龍一トリビュート・アルバムへとつながっていくのです。
さて、坂本龍一との縁で結ばれた3人による渾身のトリビュート作品には、コンサート・ツアーで披露された、幅広い時代からセレクトされた坂本龍一の楽曲を中心に、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲や新曲を交えて構成されています。YMOもカヴァーした「Happy End」では、細野晴臣がベースで参加するというギフトも!
今夏の大推薦アルバムです!!
船守秀一(音楽プロデューサー)