
日本を代表する映画監督である黒沢清監督が、今や日本映画界を牽引する俳優、菅田将暉を主演に迎え誕生したのが今回ご紹介する「Cloud クラウド」です。
菅田将暉演じる主人公吉井は普通の会社員として働く裏で、“転売ヤー”として稼いでいた。転売活動を続けていくうちにいろんな所で反感を買ってしまい、ネット社会の標的にされてしまう。やがてエスカレートしていきネット上の匿名の怒りが、現実世界で暴力となって吉井に襲いかかります。
デジタル化が進み、現代はネット社会です。インターネットを通じてなにもかもできてしまう。便利になった反面、ある意味人間らしさというものが失われてしまっているのかもしれません。また、ネットの匿名機能を利用した炎上問題、転売ビジネスの実態など現代社会への警鐘を鳴らしている映画でもあります。
黒沢監督の映画にはいつも不気味な雰囲気があります。「Cloud クラウド」はどんな不気味さが隠れているのか。タイトルの意味も考えながら鑑賞すると面白いかもしれません。また、今作の上映に際して監督の過去作である「回路」も35㍉フィルムで上映いたします。新旧黒沢監督作品をお楽しみください。
11/23(土)~12/6(金)キネマ旬報シアター柏で上映