(キネマの世界)蛇の道

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 日本を代表する映画監督、黒沢清。1998年公開の同名タイトル「蛇の道」を監督自身がリメイクし、最高傑作だと言う程のクオリティで誕生したのが本作。オリジナルでは脚本を自ら務めなかったこともあり、今作では物語の大筋は変えず脚本を1から構築。舞台は東京からフランスのパリに、主人公は男性の教師から女性の心療内科医になって描かれている。とある財団に8歳の愛娘を殺害されたジャーナリストのアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)と、彼と偶然出会ったパリのとある病院で心療内科医として働く新島小夜子(柴咲コウ)は、その犯人を突き止めるための復讐をすることとなる。やがて事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁していく中で、次第に事件の真相に迫っていく。彼らが向かっていた道は人の道か、はたまた蛇の道か。
 本作での注目は、謎多き心療内科医を演じた柴咲コウ。その怪演ぶりは、黒沢監督も「とくに目がすごく良い」と絶賛するほど。彼女は、クランクインの半年前からフランス語の勉強を始め、2カ月前からパリでの生活をしていたというのだから、その熱量はとてつもないものだろう。 (中村 春道)

 6/14(金)〜イオンシネマ他にて全国公開

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