松戸市役所、現地建て替えへ 市長選経て再検討、新拠点ゾーンから転換

老朽化が進む松戸市役所

 松戸市の松戸隆政市長は3月11日、新庁舎を現在地で建て替える方針を市議会に報告した。新庁舎を巡っては、前市長時代にJR松戸駅東側の新拠点ゾーンに移転建て替えする計画だったが、昨年の市長選で白紙撤回を掲げる松戸市長が当選し、現地建て替えか、移転建て替えか、再検討が進められていた。
 現在の市役所庁舎は老朽化が進み、耐震性に問題があることから、建て替えの計画が進められてきた。そのなかで、本郷谷健次・前市長時代に新拠点ゾーンへの段階的建て替えを決めたが、市民への説明が不十分などの反発があり、昨年6月の市長選で白紙撤回を掲げた松戸隆政氏が初当選し、白紙に戻った。その後、現在地案と新拠点案の2案を比較する資料をつくり、市民や有識者から意見を聴いてきた。
 市民からは、2案の比較にあたり、事業費を重視すべき、という意見が最も多く寄せられていた。今回新たに作った比較資料では、現地建て替えが656.8億円、JR松戸駅東側の新拠点ゾーン移転建て替えが711.6億円と、現地建て替えの方が費用は抑えられる試算となっていた。
 また「利便性の視点(松戸駅からの距離)」を挙げる人も多く、距離そのものは両案とも大きくは変わらないものの、新拠点ゾーンが高台にあるため、アクセスに不安を感じる意見も寄せられていた。
 この日の市議会庁舎整備に関する特別委員会で松戸市長は、これらの意見を踏まえ「松戸駅周辺の回遊性向上など『まちづくりの視点』は重要だが、市の財政状況や他の大型事業の推進を鑑み、事業費、事業期間、市民の利便性を最優先すべきとの結論にいたった」と説明した。一方で、新拠点ゾーンについては、「重要な事業であることに変わらない」として、今後すぐに、新拠点ゾーン整備基本計画の見直しに着手する、という。
 松戸市長は、議会への報告後、記者団の取材に「新庁舎については、デジタル化を進めることで、コンパクトな市役所にしていきたい。現地建て替えの事業費は656.8億円という試算だったが、コンパクトにすることで、できるだけコストを下げていきたい」と話した。
 今後、市は遅くとも6月までに、新庁舎建設の基本計画策定費を盛り込んだ補正予算案を市議会に提出する方針で、議会は予算案審議を通し、現地建て替えの是非を議論する。
 

松戸市議会での報告に臨む松戸隆政市長=松戸市
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