野田の屋敷社など、国登録有形文化財へ 「旧茂木佐平治家住宅金殿本社」など5件

旧茂木佐平治家住宅金宝殿本社=野田市提供

 国の文化審議会は11月21日、野田市の「旧茂木佐平治家住宅金宝殿本社」や関連建造物など計5件を国登録有形文化財(建造物)に登録するよう、文部科学相に答申した。
 茂木佐平治家は野田の醤油醸造家で、キッコーマン創業家のひとつ。対象の建造物は、野田児童遊園(茂木佐公園)に隣接して建っている。「旧茂木佐平治家住宅金宝殿本社」は1914(大正3)年築で、昔の屋敷内に建っていた社。正面の柱は亀甲形の六角柱で龍の彫刻が、建物内外には干支や浦島太郎、乙姫などの彫刻が濃密にほどこされている。
 金宝殿本社の参道にある「手水舎」も同年築で、四隅の柱に龍が彫られ、手水鉢の真上の天井部分には雷神の高浮彫がある。いずれも、彫刻は野田の宮大工が彫ったものという。
 「よろこび寮会堂」は金宝殿本社のそばに1926(大正15)年、建てられた。9代茂木佐平治が仏教修養団体のために建て、床まわりには檳榔樹(びんろうじゅ)や黒檀(こくたん)などの銘木が用いられ、瀟洒なつくりになっている。また、寮の表門も有形文化財の登録対象で、会堂と一体になった景観を構成する。
 このほか、公園内に同年建てられた旧遊楽園(茂木佐公園)塔も、和洋折衷の意匠を用いているなどとし、登録対象となった。
 市によると、塔以外は一般には公開されていないという。

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