(キネマの世界)カーテンコールの灯

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 建設作業員のダンは妻と高校生の娘の三人暮らし。娘は学校で問題を何度か起こし、そのたびに呼び出しを受けている。なんとか退学は避けたいという親の気持ちもそっちのけで、彼女はイライラを隠そうともしない。
 かくいうダンも常に心ここにあらずで、妻との関係もしっくりいかない。そんなダンがひょんなことから地元のアマチュア劇団に参加し、「ロミオとジュリエット」で役をもらうことになった。演技メソッドで自分の気持ちをさらけ出すうち、目を背けていた罪悪感に気づき始める。
 各新聞でも紹介されたので、心待ちにされていた方も多いのではないでしょうか。
 「セイント・フランシス」でそれぞれ監督、主演をつとめたアレックス・トンプソンとケリー・オサリバンの二人が、今回は共同監督に挑戦しました。ある家族の喪失と再生の物語。クスッと笑えるシーンもありますが、極めてシリアスな作品。辛いテーマを易しい言葉で紡いでゆくような、快い、大切な一本です。
 ぜひご覧ください。

(増田玲子)

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