
新たに建設された「三郷流山橋有料道路」は、外環道と茨城県つくば市をつくばエクスプレス(TX)沿いに結ぶ広域幹線道路「都市軸道路」の一部を構成する。開通するのは、流山市三輪野山から三郷市前間まで。千葉県と埼玉県、埼玉県道路公社が2013年度から整備してきた。
流山市では、TX沿線の開発に伴う人口の増加に加え、大型商業施設や物流拠点の進出で交通量が急速に増えている。三郷市にも大型ショッピングモールなどがあり、両市間の江戸川に架かる唯一の「流山橋」と周辺道路では、慢性的な渋滞が発生していた。
現在の流山橋は2代目で1965年に開通した。58年ぶりとなる新たな橋が開通すれば、市中心部間の移動時間は約10分短縮されるという。
料金所は三郷市側に設置される。通行料(別表)は普通車150円、軽自動車100円、自転車など軽車両は20円。現金のほか、交通系電子マネーなどで支払える。歩行者は無料だ。
流山、三郷両市は11月12日、開通記念プレイベントを共同で開催した。三郷流山橋に両市の市民あわせて約1000人が集まり、スタンプラリーを楽しみながら橋を渡った。
列の先頭にいたのは、橋のすぐ近くに住む苔縄小夜子さん(72)。流山市では当初、住環境への影響を懸念する地元住民が建設計画に反対し、対話集会を重ねて実現にこぎつけた経緯がある。苔縄さんも反対運動に参加しただけに、感慨深いものがあるという。晴れやかな表情で、三郷市に向かって歩き出した。
子ども2人を連れて参加した40代の会社員は「妻が長女を出産した5年前、産院がある三郷まで何度も往復したときのことを思い出しました」と話す。「出産が近くなってからは、流山橋を渡れる時間が予測できないので高速道路を利用しました」
両市小学生交流リレーも行われた。双方の地元である流山北小と前間小の児童が混合チームを結成し、流山市出身の五輪スイマーでゲストランナーの寺村美穂さんらと競走した。